近年爆発的にUSB電源の製品の供給が伸びる中、これに呼応しUSB電源の付いた電源タップが販売されるようになりました。
これにより、USB充電用のアダプタを繋げる必要がなくなり、ACアダプタ分の幅を考えることなく電源タップを使えるようになりました。
電源タップの巨大化の原因のひとつでもあったため、非常に良いことであり、ぜひみなさんにもUSB電源付きの電源タップを選んでいただければと思います。
USB電源について
この項目はUSBの歴史を含むため読む気の起こった方だけ読んでいただければ良いと思います。
USBはもともとマウスやキーボードなど、簡易的な電源として使われており、現在のような加湿器や扇風機、ノートパソコンへの充電・給電というように、電源供給の規格としては考えられていなかったと思いますが、AC電源だけでなく、パソコンやモバイルバッテリーに接続するだけで電源供給ができるという手軽さから爆発的に需要・供給が高まりました。
事実上最初のUSBの規格が普及したのは1998年に登場したUSB1.1です。もともとUSBというのはデータ転送のために使われてきたのでUSBメモリが一番身近だった方が多いかもしれません。キーボードやマウスももともとは別の規格で接続されていましたね。
その後USB2.0が2000年、USB3.0が2008年に、そこからはUSB3.1が2013年、USB3.2が2017年に発表されています。USB3.0からはコネクタ部分が青くなっているため2.0以前と3.0以降が区別できるようになっています。USBの規格は後のものになるにつれ、データ転送速度が上がります。
現在の加湿器や扇風機などの簡易的なUSB電源としては、USB2.0が一番多いでしょうか、USB1.1は安定性が劣るため世代交代しています。現在は白色コネクタがUSB2.0、青色がUSB3.0以降と考えて良いでしょう。
USB2.0の頃にはUSB・USBmini・microUSBというような規格も作られ少し複雑化を見せます。現在では必要性が薄いことからUSBminiはほぼ見なくなりました。
USB電源の給電能力
給電能力に関してはUSB2.0までが5V 500mA程度であったのに対し、USB3.0からは5V 900mA〜1.5Aとなり、給電能力も向上します。
この給電能力の向上により、外付けHDDなどのAC補助電源が必要なくなり小型化が進むなど非常に大きな恩恵が出ました。
それによりもっと大きな供給能力が欲しいということでそれとは別規格でUSB Type-CやPower Delivery規格が普及することになります。
もともとType-Cには5V 3Aほどの供給能力がありましたが、PD規格には5~20V 5Aの供給能力があり、これによりノートパソコンなどの比較的大きな電源も賄うことができるようになりました。
つまり最大100Wの消費電力の製品の電源が供給できるというわけです。今後も更に発展していくことでしょう。
USB電源の規格上の問題点
問題点としてはUSBの規格自体が増えることでやや複雑になっていることです。電源が足りない場合、正常に動作しない・そもそも認識されないなどの問題があります。複雑化する中でこの規格の違いを理解していない人間にとっては「壊れた、不良品だ」というような考えになってしまい、自分の知識不足を理解することができません。
USBって昔こんなことにも使えたっけ?という世代は気付ける可能性もありますが、それ以前のおじいさんおばあさん世代や、今の世代の方には気付くことのできる機会すらなかったかもしれません。
急速充電用の規格と通常充電用の電流の異なるコネクタも多く存在するため、「急速充電用として買ったのにいままでと変わらない…」ということや、規格が異なると急速充電がされないものを使って「急速充電とは…」ということになってしまう人も多いですね。
複雑化する規格の中で、適切な環境を選択するのはユーザー側であるということが不親切であり問題点であると感じます。
USB付き電源タップを選ぶコツ
デザイン
まずなにより重要視する方が多いのはデザインです。電源タップに繋げるACアダプタの小型化、ACアダプタを使用した商品の減少と共に、電源タップは隠すものから見せるインテリアとなりつつあります。
最近ではレトロ風などのデザイン重視の魅せる電源タップの類が増えてきた印象です。
ただ、コンセント差込口が見えているだけのような電源タップが減少していることからデザインを気にしてみるのも良いでしょう。
メーカー
メーカーはまだ重要な要素の一つです。特に電源タップは火災の原因にもなりかねないものですので、それなりの値段を保険代わりにかけておくことをおすすめします。
100均製品などは危険性から度々回収騒ぎになっていたりしますよね。
また、中華製でも安全性を検証しているようなメーカー以外のものは避け、ひし形のPSEマーク(特定電気用品)がついているものを選びましょう。
国内メーカーも近年は価格が抑えられたデザイン重視のものが多く出ているので候補にしてみてください。国内おすすめはエレコムやサンワサプライですね。
サイズ
サイズは結構重要な要素で、デザイン重視の弊害でもあるわけですが、そもそも長すぎて置きたかった場所に置けない、幅がありすぎて置けないということが起こり得ます。
丸形、タワー型、幅広など様々なタイプがあるので、まずは製品サイズと設置したい場所の広さを確認しましょう。
設置方法
電源タップに備わっている設置方法の例としては以下のようなものが挙げられます。
- フック
- マグネット
- クリップ
- クランプ
思いついたものだけですので、これら以外にもあるかもしれませんが、これが一例です。
電源タップ用の粘着テープ系の製品で後付的に設置方法を増やす方法はありますが、引っ掛けたい・くっつけたいという場合には最初からマグネット付きやフック穴付きのものを買っておくほうが余計な出費がかからなくてよいでしょう。
USB電源タップのおすすめ
※編集中
ここで紹介するのはPSE認証がされている、エレコム・サンワサプライ・Anker・TESSAN・Powerjc・NVEESHOX・Fargo・Toplandなど人気どころからピックアップ。
基本的には雷ガードは標準装備のものを選んでいます。
通常タイプ
デザイン重視
タワータイプ
タワータイプは一見デザインが良くて使いたくなりがちですが、基本的には会議室などでデスクの中央などにおいて各々のノートパソコンなどの電源とするような使用が一般的です。
もちろん、アイデア次第でインテリアの一部として使ったり上手に使うことは可能ですが、よく置き場所を考えてから購入することをおすすめします。
USB電源タップ用の延長ケーブル
ケーブル系に関しては Amazonベーシックが安価で安定、UGREENやCable Mattersあたりが標準的な値段で良い製品を出しているのでおすすめです。