自作PCを作る時にまず悩んでしまうのがデスクトップケースです。選ぶ基準としては値段・見た目・ゲーム部屋に合わせた色、機能(USB Type-Cがついているか、LEDライトON/OFFがついているかなど。)など様々なポイントがあり、自分の好みに従って選ぶのが最も良い判断だと思います。
しかし、私はその判断が最終的に正しかったと言えるかどうかのお手伝いをしたいと思います。
デスクトップケースにあってほしい機能を解説してから皆さんのお気に入りの一台を見つけてみましょう。
そして、自作初心者から自作熟練者まで幅広く一般的に好まれているATXタイプについてのデスクトップケースをおすすめしていきたいと思います。
ATX規格とは?
Advanced Technology Extendedの頭文字を取ってATXと言います。
他にも規格はありますが、このATXが個人向けで最も一般的な規格であり、ゲーミングPCを組むということにもなれば、一番割合の多い選択肢はATXとなると思います。
ATXの中でもサイズ・拡張性の違いなどによりATXやmicro-ATX、mini-ATXなどの規格がありますが、ゲーミング用途として人気が高いのはATX、次点でmicro-ATXですね。
ATXのマザボ基板サイズは305mm×244mmで、micro-ATXの基盤サイズは244mm×244mmですが、ケース基準で比べるとこの大きさの違いが大きいということがわかります。
ではこの2つの規格で何が違うのかと言うと、メモリやグラボ、記憶媒体の接続数などの拡張性が違うということになります。
ATXとmicro-ATXの大きな違い
目に見えて異なるのはメモリの最大差し込み可能枚数、グラボの安全差し込み枚数でしょうか。
ATXはメモリが8枚または4枚が基本となり、micro-ATXはメモリが4枚または2枚が基本となります。
さらに、グラボの差し込み可能枚数はどちらも2枚以上差し込み可能ですが(micro-ATXはできないタイプも)、micro-ATXの場合グラボとグラボの隙間が狭く、熱がたまり、放熱が間に合わなくなります。
つまり、micro-ATXでグラボを2枚使う場合は水冷がほぼ必須になるという点がデメリット。
PCケースの選び方
ここではデスクトップケースの選び方としてどんな選び方があるのかを解説していきます。
こんなのがあるケースにすればよかった…!という実体験と、近年のPCケースの人気の傾向からおすすめできるケースの選び方を紹介していきます。
ARGB拡張機があるかどうか
ARGBとはAddressable RGBやアドレサブルRGBと呼ばれる、LEDの光り方の調節を行う端子のことを言います。
この端子ができることはLEDの光り方のパターンを変化させることです、例えば点滅・ファイア・流星のように動きのあるLEDの光り方をさせるのは、すべてこのARGBに接続しなければなりません。
これが基本的にマザーボードに1つのため、拡張機でARGB端子の数を増やすことになるのですが、これが基本装備としてマザボについているケースが多くなりました。
ただ、ケースに付属のLEDファンを光らせるための端子しか基盤についていない場合もあるのでそうなると拡張のためのケーブルなどは必要になりますね。
例えば以下のケースですが、ファンとARGB基盤があらかじめ背面に装備されているのでLED付きのファンを揃えても余るでしょう。というように背面の商品説明も見ながら欲しいケースを決めていくのもよいでしょう。
ケーブルの収納やケーブルを通す穴

昔はそもそもなかったりしたのですが、最近では一般的になってきましたね。
欲を言えばケーブルの収納がついているタイプがあればいいですが、一般的には画像のように結束バンドを通して固定するための穴・ケーブルを表から裏、裏から表に取り回しする穴がついています。
これらがあるのとないのとではケース内の美しさとメンテナンス性が全然違います。
ゲーム部屋で魅せるため、LEDテープやLEDファンなどで飾る場合には絶対に欲しいですね。
一昔前のケースにもこの穴があるものはあったのですが、ケースの裏側が空けられなかったりしたのでかなり使い勝手は悪かったのですが、最近のものはケースの裏側も空けることができ、有効活用できるのでケーブルの収納性はかなり高いです。
他にも3.5inchSSDやHDDをケースの裏側にネジ止めすることができるスペースがあれば機能性は完璧ですね。
USB TYPE-C
今後USB Type-Cが一般的になっていくので、今後はマザボ以外にもケースにUSB Type-Cのついているケースを選択肢に入れる必要があります。
- UEB Type-Cは従来のType-Aと比較して供給電力が多いため、様々な製品の充電に使えるということ
- データ転送速度がUSB 3.1が5Gbps、Type-Cが10Gbpsと2倍の転送速度を持つということ
- USB Type-Aと違いType-Cはどの向きで挿し込んでもささるということ
このようなメリットを持ちます。
今後は間違いなくType-Cが一般的になっていきますし、穴のサイズの小型化によって周辺機器の小型化しての普及も予想されます。
そのような周辺機器を使うためにもType-Cの備わったケースを用意しておくと長い目で使うことが可能です。
フィルター
デスクトップパソコンはできるだけホコリが入らないようにしてあげる必要があります。
デスクトップパソコン内にホコリが溜まると空気の流れが悪くなり、内部の冷却効率が落ちるというところまでは想像がつくと思います。
ホコリは溜まると徐々にマザボやグラボの基盤にまで積層するようになります。ここまで行くとかなり放置されている状態なので、流石に掃除をしなければなりませんが、しない方はしませんね。
マザボ・グラボ等基盤にホコリが到達し、積層すると放熱がうまく行かず、パーツが壊れてしまう可能性が高くなるだけでなく、ショートの原因にもなりますので、すべてのパーツが壊れる可能性があるというわけですね。
そこで、フィルターがあればホコリの侵入を減らしてくれるためメンテナンスの手間が減るというわけです。
また、ホコリを溜めないコツは
- 基本的には吸気ファンを多くし、排気ファンを吸気ファンより少なくすることでケース内を負圧にすることでホコリの侵入が少なくする。
- 床から高い場所に設置してホコリが侵入しにくくする。
ということが挙げられます。基本的にはどちらも手軽に実行できるのでやっておいたほうが良いですね。
側面板は強化ガラスとアクリルどっちが良い?
ゲーミングPCの場合、側面を透明な素材として内部が見えるPCにしたい方が多いでしょう。
そこで候補となるのが強化ガラス製の側板とアクリル製の側板です。
どちらがいいの?と聞かれれば断然「強化ガラス」をおすすめします。
強化硝子をおすすめする理由としてはなにより内部がクリアに見やすいという点です。
アクリルはとりあえず中が見えてればいいや程度の安価な素材なので、中は見えるものの曇って見えるというのが難点、反対に強化ガラスは近年デスクトップケース用に透明度の増した商品が増えてきているので、強化硝子を選ばない理由はありません。
さらに、アクリルはその性質からホコリを寄せ付けやすくホコリに弱い精密機器にはあまり向きません。
逆に強化ガラスは静電気が起きにくいのでホコリも寄せ付けにくいというメリットもあります。
おすすめのケース
※白色ケースについて
白色のケースやパーツは他色よりもコストがかかるため、なかなか作りたがらない会社も多いですが、少し値段が張りながらも商品数は多いですね。
白色はレイアウト的にも合わせやすく、黒と同等の人気があります。
パーツやアイテムの色を統一することで羨ましがられるゲーム環境を作っていくことができますので、おすすめのレイアウト法として覚えておいてください。
迷ったらこれ!万能&コスパ優秀ケース3選
Fractal Design FD-CA-DEF-S2-WT-TGC
Type-C搭載で白色のケースのおすすめはこちら。
強化ガラスで、内部がきれいにまとまっており、エアフローもしっかりするでしょう。
前部にも空間があるため水冷化しようと思ったときにも対応できますし、大型のグラボの取付けも用意です。
私の友人も使っているので見せてもらったことがあるのですが、ひと目でそのデザイン性に魅了されるでしょう。
NZXT CA-H510B-W1
近年人気の高い機種、シンプルながらもめちゃかっこいいんですよね。
シンプルに白!シンプルに黒!と言えばこれに勝るものはないのではないでしょうか。
シンプルながらもType-Cがついていたり、ファンコンやLEDコントローラーのついたモデルがあるのも魅力です。
配線のしやすさももちろんですが、グラボの縦置きにも配慮された設計には内部を魅せるための作りにこだわりを感じますね。
Thermaltake CA-1J5-00M1WN-01
私も使っているケースです。
コスパ最強と言えばこの機種で、ATX、microATX、Mini-ITXの3種に対応します。
上部360mmファンが取り付けられるケースって案外なくて、しかもそれが格安で手に入るんですから選択肢に入るわけです。前面は地味ですが、置き方次第で映える見せ方も可能です。
こちらは側板が強化ガラスのモデルですが、1000円前後安くでアクリルのモデルもあります。
とはいえ私のおすすめは強化ガラスのモデルです。
配線のしやすさ、エアフロー、ホコリの侵入のしくにさすべてで高得点ですが、Type-Cがついていないことだけが惜しいポイントでしょうか。
そんなことはどうでもよくなってしまうくらい優れたケースです。
発光の目立つケース
LEDの付いたファンを目立たせたい。という方向け、どうせならかっちょ良いケースを使いたいという方にも需要が高いケースだと思います。
前面をガラス面のものにすれば静音性にも長けた商品を選ぶことができます。
基本的にはガラスのもののほうがビビッドに綺麗に魅せることができますが、メッシュの透け感も淡い色感になりおしゃれに飾ることができますので選択肢としてアリです。
CoolerMaster MCM-H500M-IHNN-S00
こちらは全面メッシュの黒ケース、静音性が損なわれるとは言えメッシュは通気性が良くエアフローをよくできるというのがメリット。こちらのケースは大型グラボを搭載することができるケースで、グラボを支えるためのパーツが付いているので大型グラボを使う方も安心です。
USBもType-AもType-Cも搭載されているので利便性もバッチリ。
CoolerMaster MCB-B530P-KHNN-S01
やはり前面がガラス面のケースはかっこいいです。個人的にはファンを3つ並べることができる点が高評価したいポイント。
側面も強化ガラスになっているので、ピカピカにしてあげることでゲーム部屋らしさがグッとアップしますね。
発光の目立つ白色ケース
CORSAIR CC-9011176-WW
私はコルセアのデザインが好きなのですが、こちらのケースもかなりそそりますね。
こちらは前面強化ガラスです。
iCUEというソフトでLEDの発色をコントロールすることができます。
やっぱりデザイン的に頭一つ出ているなぁと思いますね。
CoolerMaster MCB-D500D-WGNN-S01
こちらは前面メッシュケースです。
白色メッシュにLEDはかなり淡い色になり、美しく見えます。
落ち着いた色で部屋を彩ってくれるので個人的にかなりおすすめのケースです。
側面の強化ガラスのデザインも独特でかっこいいですね。